陰陽の考え方と節句。基本は「月日が奇数のゾロ目!?」
古代の中国において、自然の法則や「氣」というエネルギーをマクロ的にとらえ、陰陽(いんよう)という思想を確立させました。
地球から宇宙に拡散するエネルギーが「陰」、宇宙から地球に向かってくる収縮のエネルギーが「陽」 という考え方で、月(太陰)・女性・柔・植物的・静か・寒い(冷)のが「陰」であり、「陽」は日 (太陽)・男性・剛・動物的・動く・熱い(温)といわれています。
数字にも陰陽があり、陰=偶数、陽=奇数なのです。
昔から、
奇数は縁起の良い数とされ、もっとも大きい一桁の奇数が「9」で、「9」(陽)がぞろ目で重なる9月9日を、もっとも縁起の良い【重陽】と いうおめでたい節句としたのです。
日本では奈良時代頃から、縁起が良く、邪気を払い、健康で長生き 出来る植物として、重陽の節句に【菊】を愛でる宴が宮中や寺院で行われていたようで、別名【菊の節句】ともいいます。天武天皇や嵯峨天皇が「重陽の宴」を行ったという記録があります。
京都の上賀茂 神社では、無病息災をお祈りする「重陽の節会」が今でも行われているそうです。
色彩食養学という面から、重陽を考えてみると、五行で秋の色は「白」であり、肺や呼吸器が弱る時期 なので、白い食べ物を積極的に食べると良いとされています。
里芋・大根・れんこん・しょうが・きのこ類・豆乳・山芋などがオススメ食材となります。
また、呼吸器や鼻に問題があると、顔色が白っぽくなる体質の人がいますが、こういうタイプの人は血が薄く、血液の色素が不足気味で、貧血の方が多いので、根菜類やきのこ類をメニューに取り入れて、 大腸の冷えを改善していくことが重要で、小麦食品や肉類・乳製品・甘い物は控えるようにしましょう。
この時期は、食用の菊である「もってのほか」(お刺身の盛り合わせなどに飾ってある黄色い小菊) をお浸しにしたり、花びらをお酒に浮かべて飲む粋な人もいると思いますが、あまり美味しいものではないですね。
今年から菊の節句には、体に良くて美味しい、キク科の植物を取り入れではどうでしょう。
菊芋・春菊・レタス・ヤーコン(竹内おすすめスーパーフード)・アーティチョークがオススメ食材で、ハーブーティーとして飲むと良いのは、カモミールやエキナセアというハーブです。
今年の菊の節句は、キク科の野菜で食育を考える日にしませんか?
令和2年(2020年)葉月 国際食育士協会 竹内英二